- 2016-8-22
- 歯のコラム
鏡に映るあなたの口元は?
噛み合わせが悪い人は沢山いますね。中でも特に出っ歯、受け口、八重歯は日本人にとても多く見られる歯並びです。
—今のあなたの口元は大丈夫ですか?
今回はその中でも「出っ歯=上顎前突(じょうがくぜんとつ)」の引き起こすお口の中の問題についてお話ししていきますね。
八重歯、受け口についてはこちら ↓ ↓ ↓
口の中=家庭環境と考えていい
欧米人は口元にとても敏感で歯並びにとても気を遣い、小さいうちに矯正をしたり10代で親知らずを抜いてしまいます。
ということは、相手の口元にも敏感ということになりますね。
話し方、食べ方、仕方がないことですが話しているときに唾液がよく飛ぶか、そのようなこともよく観察して、一緒にランチに行くかどうかなどの接触面の線引きをしてきます。
アメリカ社会では特にその人の口元や口の中で、その人のバックグラウンドを推し量ることもあります。
また就職面接などにも大きく影響します。
きちんと子供の口の中まで気を配る家庭で育ったのかどうか、ここの家族は定期的に歯医者に通う家庭なのかどうか、生活水準はどのくらいであるのかどうか、、、などそういったことにまで「歯」は影響を及ぼすのです。
口の中に起きてくる問題
きちんと閉まるということは、非常に大切なことです。
唾液が口の中を潤し、歯茎を「乾燥状態」から守ってくれるからです。
歯茎や歯が乾燥することは、「歯周病=口臭」や「虫歯」を引き起こす原因となります。
これはまめに水分補給をしているからといって、防げることではありません。
唾液自体にもとても重要なはたらきがあるからです。
そして更には前歯がうまく噛み合わさらないので、自然と「奥歯」だけで物を噛むようになり、「顎関節症」をも引き起こすことがあります。
「顎関節症」聞き覚えがあるようで、実際は意味が謎な言葉ですよね。
簡単に言えば、常に顎が休まらないことによって引き起こされる関節の悲鳴ということです。
また、舌で歯を前に出すような習性があっても前歯はどんどん前へ前へと出てきてしまいます。
きちんと上の歯、下の歯、そして前歯、奥歯、これらが噛み合わさる、当たり前のように感じて実はとても難しいことなのです。
どのように対処していくべきか
前歯が永久歯に生え変わる頃であれば、これは奥歯がまだ乳歯ですから、顎の成長と共に上下どちらにしてもプレートを入れたりして前歯が時間をかけて動くことを待つことができる、ということです。
小学校高学年以上になったら、これは矯正の必要があります。
それ以上の年齢になれば、矯正に伴い抜歯も必要になってきたり矯正の期間が長くなったりします。
今述べたことをもっと未然に乳幼児の時点で防ぎたい場合は、やはり指しゃぶりを早めに卒業させることが大事になってきます。プレートにしても矯正にしても年齢と共にその費用もかかっていくケースが多くなります。
お金が関わってくることなので、指しゃぶりを止めさせる、それはとても大事なことになっていきます。
経済的にも早め早めの段階で対処していくことが望ましいでしょう。
まとめ
前歯は自分でも鏡で確認することが出来ますし、お子さんの歯だったらパパやママは確認しやすいですよね。
指しゃぶりの癖が我が子にあったら尚更です。
「自分は出っ歯なの?」自己判断せずに確認の意味でも歯医者に行き意見を聞きましょう。
するともしかしたらご自分のよくない習性について指摘してもらうことが出来たり、もっといい対処法を一緒に探してくれるかも知れません。
「噛む」ということはとても大事です。
出っ歯によって全部の歯が噛み合わさってなくてもそれが当たり前と思ってしまいがちです。
ですが、きちんと噛み合わさらないことによって最初に述べた歯周病や虫歯を引き起こしたり、偏頭痛に悩まされたり、肩が凝ったり、乳幼児のときは顎がきちんと発達しなかったりと様々な症状をもたらします。
だから真剣に考えてください。
見た目だけでなく、口元に手を当てずに笑える健康な日本人になりたいですよね!
(この記事の監修: 中目黒リバーサイドデンタルクリニック 院長 / 野田潤一郎 先生)