- 2022-4-13
- 歯のコラム
「全く痛くない虫歯治療?!」
トリックハンター 2016年2月10日放送
見ました。
そして簡単にまとめてみました。(*)注意 あくまで放送内容をまとめただけです。この治療法の評価、感想は最後の方に書いてます。
ハリセンボンのお二人が取材に行かれています。
1 小さな虫歯には
カリソルブという薬剤を虫歯部分に塗布し、しばらく待つと虫歯のみが軟らかくなる。それを専用のピックできれいにかき出す。その後穴となった部分をコーティングして終わり。(正確にはレジンというプラスチックでしょう)
2 大きな虫歯には
大きな虫歯とは神経まで感染しているような虫歯や神経がもうすでに露出しているような状態の虫歯、と説明されていました。
このタイプの虫歯にはドックベストセメントというセメントタイプの薬を使います。これを虫歯の部分に詰めるだけ。1年程度で殺菌が完全に終わる。で、治療終了。殺菌効果は半永久的なので二度と虫歯にならない可能性もある。
全く痛みを感じることなく1回の通院で治療が終了するのでお得。ともに費用は保険外診療なので1万円くらい。
感想
カリソルブについては
1 本当に全く痛くないのか→専用のピックで虫歯を取る時は人によっては痛みを感じます。
2 もともと虫歯って軟らかいので上記の器具で取ることはできるのでは?
まだまだ溶解力に限界があり、う蝕除去にタービンの数倍時間がかかる。(参照 https://ja.wikipedia.org/wiki/カリソルブ)
タービンとはドリルのことです。時間がかかるのは今後の課題ですね。
薬剤を塗布しにくい隣接面のう蝕は適応外(参照 https://ja.wikipedia.org/wiki/カリソルブ)
隣接面とは歯と歯の間のことです。放送では噛む面(咬合面)の治療でしたね。ただ、咬合面に虫歯がある時は結構な確率で隣接面にもあるんですが、、、。
ドックベストセメントについては
1 神経まで到達してる虫歯はもともと痛みがあります。ですので通常は麻酔をして神経を取る処置を行います。ですのでおそらくこうでしょう。「神経に到達しそうなほど大きな虫歯」の治療に使うのでしょう。
ともに、
歯の半分は虫歯でなくなっているところにレジンというプラスチックをくっつけて治療終了とされていました。欠けたりしないか心配ですね。
「全く痛くない」は個人差、症例差ありでしょう。
番組を制作した人は歯科の素人なのでこういう作り方になるんでしょうが。
でも見ていて面白い内容でしたね。とてもセンセーショナルな作り方でした。
「痛くない」っていうのは医療では大事なことですしね。
ドックベストセメントは使い方によっては今後面白いかもしれません。
歯科の治療法は日々進化しているんだなと思っていただけたら良いです。
(この記事の監修: 中目黒リバーサイドデンタルクリニック 院長 / 野田潤一郎 先生)